HUMANITY

【HUMANITY ~The First Chapter~


Movie




Story

20XX年。第三次世界大戦の危機を感じた国際連合は、人間の欲望を欠落する為、人類ヒューマノイド化計画を秘密裏に遂行する事を決定した・・・


これは、一人の人間が感情を失っていく物語である。


その男は、かつて見るものに感動を与えるマジシャンだった。あの出来事が起こるまでは・・・


Concept

・メインテーマ

メインテーマは「人間らしさ」。マジシャンである主人公が事故に遭い、人間×人工知能の新人類=ヒューマノイドとなり二度目の「生」を得る事になる。

欲望もなければ争いもない、完璧な生命体・・・。しかし徐々に感情が欠落していく中で、主人公は自分に問う。


「生きる」とは?


葛藤しながらもパフォーマンスを通じながら主人公は一つの結論を出す・・・





テクノロジーが発達した現在、ライフスタイルも多種多様になっている。だからこそ、改めて「生きる」という言葉の重さや原点を、改めて自分自身に投げかけてもらえたらと思う。

・裏テーマ

裏のテーマは「マジックの本当の楽しみ方」。一般的なプロマジシャンが演じると、よくお客様に言われる事がある。それは「なぜ?どうして?タネが知りたい」。

それもそのはず、一般的なプロマジシャンはマジックを不思議な事にしか付加出来ない「技術屋」だからだ。エンターテイナーでも、アーティストでもないのである。

映画を見て、ハリーポッターが箒にまたがり空を飛んだとしても「なぜ?」とは思わないはず。なぜなら「目的地へ行く」という理由、付加価値がついているからだ。

また今回、演目、演出も今回斬新な手法を取った。感情や演出を付加したパフォーマンスと、ヒューマノイドとなり、感情を失い不思議な事しか出来なくなったパフォーマンスを45分のショータイムの中に盛り込んでみた。言葉には出さないが「あなたは今のつまらないマジック業界をどう感じますか?」と投げかける。その結果「なぜ?どうして?タネが知りたい」の代わりに「感動した」の一言になっている。


マジシャンの捉え方は人それぞれだが、少なくとも私は今のプロマジシャン達の「不思議を見せる技術屋」ではなく「感動を与えるアーティスト」でありたいと思う。

そしてこれからも、業界の低迷が続く限り、私は新しいものを生み出し続ける事だろう。


【Inside Story】

・ウラ話Part1

今回はマジックだけでなく、舞台や映画の要素を取り入れたので、時間軸をより意識した構成にしてみた。漫画やドラマに「起承転結」が存在するように、マジックショーにも同じ概念が存在する。
ただ、普通のマジックの構成であれば

・起    → 現象が分かりやすい&現象までの流れが早い
・承、転 → お客様の手伝いがいるものやじっくり語りを入れるもの等幅広い
・結    → 今までより規模の大きなものや、インパクトの高い演目

俗に言う「(ビジネスにおいて)プロ」らしい流れである。


ただ今回は、演目の特性分けをするならば、この流れをあえて「結」起承転の流れで作ってみた。
普通であればおかしな構成ではあるが、そこに脚本が入ると自然な流れになる。

・結  → 事故にあう前に行った最後のマジック。回想シーンでもあるので時間軸は過去
・起  → ヒューマノイド手術後。時間軸はここから現在進行形。手術で蘇生した喜びで溢れる
・承  → 感情を失ってゆくと共に、疑問や葛藤が生じる
・転  → 問題解決に向かうファクター。ネタバレになるので生でご覧下さい

更に+αとして最後にストーリー上に「転」がこの後に入って演技が終わる。今作を通じてマジシャンにとって前衛的な「形式」を体現出来たのではないかと思う。

1度見たらまた見たくなる作品に仕上がっているので、構成についてじっくり鑑賞して頂くのも面白いかもしれない。


Key Visual

   

Cast

Performer

ヒューマノイド SIN : SIN


Voice Actor

ナレーター、ドクター、通行人 : 飯島良太